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「ここに生きる」

ムスメさんからの情報で、大変興味深かったので、
行ってみることにした。ムスメさんよ、ありがとよ。

「ここに生きる」佐藤宏樹 個展

佐藤さんは、大学に通いながら関東平野をフィールドとし
そこに暮らす野生動物(ツキノワグマなど)の写真を撮り続ける写真家だ。
個展会場である北村写真機店へ向かう電車に乗ってる最中から
胸が高鳴る
Instagramで見る写真がどれも素敵だったから
正直、国内の在来動物にはあまり興味はなかった
猪、鹿、猿、ツキノワグマ、タヌキ・・・・
そもそもよく知らないのかもしれないし
なんとなく地味に感じてしまう。
どうしてもサバンナで暮らす生き物たちの
食うか食われるかの中で生きぬこうとする姿がわかりやすく
ある種ドラマチックにもみえサバンナの動物たちに興味が湧く
もしも、国産の狼、ニホンオオカミが現存していたら
数が増えすぎて害獣と呼ばれてしまう鹿や猪などの
生態系も違ったのかな
ちょっと残念に思う
会場の真ん中には動物の骨格標本が展示されてあって
撮影中に入手されたものなのか
鹿や猪と思われる頭部が置いてあった
相当山深い場所で撮影しているのではと想像する
写真で切り取った動物の一瞬の営みが
どれも美しかった
新宿歌舞伎町路地裏のドブネズミを見た時は
THE BLUE HEARTSの
「リンダリンダ」が頭の中で繰り返し流れた
実は身近な世界に素晴らしい、美しい世界は広がっていて
それを見落としてしまっている
日本という土地は場所がら四季があり
その季節ごとに風物詩を感じることができる
色があり、食べ物がある
とても素晴らしい国だ
展示されていた作品にも
それに通じるような侘び寂びのようなものを感じた。
何時間もかけて山に入ることはできないが
作品から感じることができる機会に
感謝だった
佐藤さんが幼少期に拾ったヒヨドリの巣の写真が展示されていた。
彼はそれを真似て自身で巣を作ってみたところ
精巧に作られた工夫を知ったと書かれていた。
実は私も鳥の巣を数年前に原っぱで手に入れた
よく見ると
本当に細かく
小さな小さな枝を寄せ集めて丁寧に作られた巣は
丸みを帯びたお椀型だった。
自分で真似して作ってみようとは考えず
佐藤さんの探究心が羨ましく思えた。

わたしは疲れると、動物たちのそれも野生
ワイルドな野生動物の動画を集中的に観るようになる
現在は生きもの地球紀行にどっぷりハマっている
田島木綿子さんのご著書「クジラの歌を聴け」(山と渓谷社)
のなかにも記されていた。
生き物たちの生きる目的は
単純明快で、いたってシンプル
生命(いのち)を繋ぐだけでそれ以外は何もない
メスの気を惹くため、捕食者に食べられないための弛まぬ努力(幼児期の体色)、工夫は
感心するとともに愛おしい。
次の妊娠に備え、短い授乳期間だが脂肪分を80%も含む母乳を与え
さっさと自立させる
種の保存のための進化を繰り返し
今がある。

強いものだけが子孫を残すことができる
争いに敗れれば、いのちを落とすことも多々
あるいは、同じ種同志でも縄張をかけ争う
毎日が命と引き換えの短い一生。
そうじゃないと、生き延びるための強い遺伝子は
継承されないから

高度な知能を手に入れた
私たちの生きる目的はなんだろうなぁ
生命を最後までちゃんとまっとうする
それで十分だよと思えるようになりたい
先日、看護師の仕事をしている時
利用者さんである80代の女性がふと漏らした言葉
「せっかく与えてもらった命だから大切にしなきゃ」
自然と出てくる言葉が彼女の手を洗いながら胸の奥に響く。
宇宙が誕生した歴史から考えると
人間1人の人生なんて燈にもならない
宇宙は今ある宇宙以外にも
同じような宇宙がまだまだ存在していると言われているらしい
とてもむずかしすぎて
想像するのが難しかった
この広大に思える宇宙ですら
実はちっぽけなのかもしれない
全ての人間同士、さらに生物の命の価値に
有意差はない
あるとすれば
私たちがそれぞれ勝手に作っているもの

やっぱり私は生き物が好きだ
愛おしくて、美して、尊敬してしまう

(※佐藤さんの個展はすでに終了してしまいましたがInstagramで素晴らしい写真を閲覧できます
ぜひご覧になってみてください。会場内は全て撮影可となっており僭越ながら、拙い画像で会場をご紹介いたしました。)

わたしの鳥の巣

 

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