どこか遠くへ出かけたいなー、このもやっとするような浮き沈む気持ちをとっぱらいたいなー。
一人で行ったことのない場所へ。という衝動的な気持ちで、早春に出雲行きをきめた。
コロナが流行しはじめる2020年から長年にわたって続く鬱々とする気持ち。
気を紛らす方法としてそれなりにエンタメも楽しんでいるし、
文化に纏わるもの、自己啓発系の本も読書嫌いのわたしにしてはかなり読んでいる。
ラジオも大切な情報源だ。
また、絵を描くしごとのための環境整備もそれなりに積極的にやってきた。
それでも、そのとき一時的によい感じにはなるがいずれ気分は舞い戻ってしまう。
一向によくなる気配はなく特に朝は激しく滅入ることも。
気分よく目覚めることがここ数年ない。
何より嫌なのは決断力が下がった感覚。
何かにつけて「これであってるのかなぁ?ほかにもあるかも?どっちにする?」と
フワフワと不安が付きまとい、正直そんな自分にほとほと疲れきっているのだ。
自分の殻を破ることができていないのかなぁ。
パンドラの箱をあけられていないのか•••(だったらいいけど)
のんきになるためのおまじない「知らんがな」も、常に暗唱している。
どこかへ動く(行く)しかない、移住は”いま”は難しい。ならば旅だ。
かねてからいきたいと思っていた出雲国、島根県へ。
大国主大神様をおまつりする出雲大社、参拝したところですぐに何かが変わるともおもえないけど、
即決できたことがうれしく
実行あるのみ。
そんなわけであっという間に月日は流れていき、たびは終わってまたいつもの日常の中にいる。
旅立つ前から、あれやこれやと迷いながら、行ってしまえば大した悩みでもなく。
今現在何かかわったかというと、何も変わらないし変わるわけがない。
でも、久しぶりに最上級の旅を味わうことができた。満点~満点以上に楽しんた。
旅をしながらのスケッチがこんなにもたのしく、旅を充実させる。
わたし描きたかったんだー、外で。手がムズムズと水を得た魚のようによろこんでいるのが伝わってきて、
なんだって描けそうな気分だった。スケッチは観察力をあげ、旅への意識がより高まる。
対面する景色から、その地に思いを馳せることができる。
素晴らしすぎた、島根県。
特に私鉄一畑電車(バタデンとよぶらしい)は街の人たちに愛された
大切なライフライン。
車窓からの景色にみとれ、撮り鉄じゃなくてもパシャパシャとスマホで撮影する手がとまらなかった。
田園風景のなかには鷺、宍道湖に流れる大橋川では初めてみる野生のエイ
(宍道湖は日本海と繋がっているため淡水と海水がまざる汽水湖)、
出雲大社にはモリアオガエルの卵、日御碕にある経島(ふみしま)にはウミネコの群れにトンビがピーヒョロロ。
松江の駅の構内にある足湯につかり、特上のシジミ丼(季節の風 蔵)をたべ、偶然見かけた堀川遊船、ぐるっと松江堀川めぐりは風情があって、身体を屈め船体の屋根を下げなければ通れない低い橋や暗渠をすすむ船頭のテクニック、軽いジョークを交えたガイド、小泉八雲記念館、旧亭、川沿いに植わる樹齢の古い松の下をくぐるとよいことがあるかもよと
船頭さんがいうもんだから、しっかりとくぐっといた。
日御碕ではその日に偶然はいったという冷凍じゃないマグロ丼。(「ついてるわよ」と)
出雲大社、日御碕、稲佐の浜、最後の最後まで味わい尽くした。唯一叶わなかった日御碕灯台からの夕日。
初日はあいにくのお天気だったものの2日目からは回復
絶好の夕日日和だったが公的交通機関での移動に制限はつきもの。
そして東京と同じ感覚で動いてはいけない。
1本見逃してもまた次があるさではない。コスト面と人口比を考えると5分おきの電車は必要ない。
夕日についてはまた訪れるきっかけになる。
次回は免許証を忘れずにレンタカーで楽しんでみたい。
泊まった宿は、「出雲ゲストハウスいとあん」。
予定していた宿がコロナの感染者がでたため
出発の2日ほど前に急遽NGの知らせが届いた。
予約した当初、すでに出雲とのご縁ははじまっていますよと言われていたので、なんとも複雑だったが
このご時世だからどうしようもない。
かわりにご紹介いただいたのが今回の宿。古い旅館の別館を改装した建物は、ホッと落ち着ける空間だった。
1日目は他にゲストがなくひとりぼっち、ぶるぶる震えながら「早く朝にならないかな」とやや寝不足気味だったが、
2日目は満室、おまけに日御碕、稲佐の浜で偶然一緒だった女性二人組の観光客、
お互い印象に残っていたようで「あっ、あのときのマグロ丼~私たちも食べたんです」と意気投合。
「いびきがうるさいんで、気になってるんですが•••」
いびきWelcome!! 静かすぎるのはもーたくさん、怖すぎる。
一匹のカメムシが部屋に侵入し悪戦苦闘するハプニングも含め賑やかしい最後の夜だった。
3日間は瞬く間にすぎてしまった。切ない、このblogを描きながらもしんみり。
離陸する飛行機からみえる美しい田んぼ、日本海よ、さよーなら。
でも飛行機が飛び立つ瞬間のやや恐怖にも近い感覚は、センチメンタルな気持ちを払拭し
「さぁ、いつもの生活に戻ろう」と、
ちゃんと切り替えることができる。
また、もやッとする毎日になるだろうけど今回の旅のように自分のための楽しみを準備して、
自分を乗り越えられるようにいろんなことやってみよっと。
「知らんがな、きっと大丈夫」(なんかインドの映画であったな)と、
すぐにおまじないを唱えられるように心のなかで言うんだ。
結局は自分の思考の質によるのだろう。
わかっていても、もがいてしまうのだからしょーがない。
The happiness of your life depends upon the quality of your thoughts.
最後に、ポートフォリオと正方形ショップカードを作りました。
こちらの詳細についてはまた次回にでも。これも頑張ったな~
直接お会いできる方には手渡しさせていただければと思ってます。
どうぞどうぞうけとってください。