3月、画家nakabanさんのアトリエにお邪魔させていただいた。
広島駅発の電車に乗り、海を臨む車窓にうっとりしながら楽しくおしゃべり。
何を話したのかは覚えていないが「旅」の雰囲気を存分に味わえた。
1時間ほど電車にのり、そこからは徒歩。
道中、田んぼがあってあぜ道のような細い道を進んだ。
そこら中にお墓があるのが印象的だった。
家は朽ちているのに、墓は悠然とそこにあった。
昔は、日常の中に墓をたてていたのだろう。
毎日ご先祖さんと近くにいられることは、とてもいいなと思う。
15分ほど歩くとアトリエに到着。
庭からはいる(侵入?!)のも楽しかった。
子供のころ、垣根のない知らない人の家の庭に入り込みドキドキした感じによく似ていた。
庭には柿、ミモザ、梅などの大木、季節の花々、そして養蜂箱が設置されていて
ミツバチたちが忙しそうに出入りしていた。
庭だけでも十分楽しめるのに、この先どうなるんだろうと
アトリエの中に案内していただいた。
ご本人の作品がいたるところに展示され、次々にポコポコと生み出されていることを感じた。
制作中の作品を使って、油絵具のレクチャーまでしてくれた。
目の前で作品がうまれる瞬間を見ることができた。
みていて楽しかった、これが創作かぁと実感した。
屋根裏の梁がむき出しになった2階には当時の面影がそこら中に残されていて
藁と土をまぜて塗られた隙間だらけの土壁、ぬけるんじゃないかと思うぐらいきしむ床
箪笥の中に敷き詰められた新聞紙は「大正」と印字されていた。
昔と今が地続きで繋がっていて、タイムスリップしたような感覚になった。
クリップフェチのnakabanさん、多様なクリップ使いも面白かった。
こんなクリップが世の中にあるんだと感心しどこで手に入れたのかも気になった。
そして制作のための資料となる作り付けの書棚、CDにもくぎ付けになった。
無造作に美しく陳列され、ワクワクの種がたくさん詰め込まれていた。
写真だけでも楽しめる外国製の本もたくさんあって
聞くとフランスの蚤の市で手にいれたらしい。おしゃれだ。
何の鳥かわからない風見鶏やこっそり連れて帰りたくなるような様々なオブジェ、
砂をかぶったような感じだけど、キラキラとして素敵だった。
創作のための場づくりって大切だ。それがすべてではないけど
部屋に閉じこもっているばかりも、よくない。
せっかく借りている徒歩10分のアトリエも、最近は寒いことを理由に足が遠のいている。
絵描きの人生に全振りしているnakabanさんがとてつもなく
うらやましかった。
のりにのっている感じが
うらやましかった。
どうすれば自分もそうなれるのか悶々としてしまう。
わからない。
あれもこれもと手を伸ばし
心や体がふわふわしているのは
わかっている。
どうにかして、ぬけだしたいけどどうにもできない自分にもやる。
これが私なのかなと、あきらめの気持ちにもなったり。
でも、1つ目標ができた。
展示をしよう。
個展がしたい。
とても初歩的なことだけど、展示の会場を捜し
それにむけて制作をしてみたい。
ここ数年、オンラインサイトでの絵画販売に甘んじてきた。甘んじすぎた。
便利なツールではあるが、便利すぎて
リアルに個展を開く苦労がない。
会場に合わせて作品をつくる必要もない。
アップロードのための作品撮影には一定のルールをつくる必要があるけど
それほど大変なことではない。
展示をするための作品制作をはじめたいと思えるきっかけとなった
今回の訪問は本当によい機会となった。
この場をもってアトリエを開放してくださったnakabanさんに
感謝の気持ちを伝えたい。
ありがとうございました。

草花や木々の間から
陽がさしこんでました

