

わたしが、背景に夜を描くようになったのは
永沢まこと先生のうすら明るい夜の色をみてからだ
紫とフレンチウルトラマリンがまざりあったような色合いの
夜にカドミウムイエロー、カドミウムレッドが映える
作品全体をしっかりと着色した上に
うっすら夜の色をのせる瞬間
勇気がいるような
「もったいない」と思うこともあるけど思い切って塗ってみると
まぁいいじゃないか、塗ってよかったと満足できる
当時は水彩絵の具で作品を制作していたが
その道具がアクリル絵の具にかわったあとも
やっぱり決めの背景は夜だった
水彩絵の具のような透明感を表現するのは難しいので
黒一色でべたッと塗り込んだ上に
透明感の代わりにヨゾラ一面に星をちりばめることで
輝きを加えた
そしてわたしは、
その「ヨゾラ」に意味をつけたくなり
後付けとしてその意味を考えた
あたりまえだが、この世界に月は1つ
地球上の人間はヨゾラ(月)で繋がっているともいえ
遠く離れていても同じ月をぼんやりと眺め
遠く離れた家族のことを思う
遠い国に住んでいる友人のことを思う
ことができれば素敵なんじゃないか
繋がれるんじゃないか、と
そんな「平和的なメッセージ」を吹き込んでみたわけです
「ヨゾラは私たちをみまもってくれる」
「ヨゾラは私たちをのみこんでしまう」
それでもヨゾラは美しいものであってほしい
夜、ねるとき布団の中からみあげる満月ほど
安心してうっとりすできる夜はない

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